「社会を見渡すための読書会 vol.7」が9月18日、「MINOU BOOKS 久留米」(久留米市小頭町)で開かれた。当日は7人が集まり、「障害を読む」をテーマに、参加者が持ち寄った本を紹介し、家族や身近な人との関わりについて語り合った。
同店で開催中の写真家・齋藤陽道さんの写真と言葉の展示「よっちぼっち 家族四人の四つの人生」に合わせて企画した。齋藤さんはろう者の写真家で、Mr.Childrenなどのアーティスト写真も手がけている。
読書会では、本の感想や問いを共有し、安易に「理解した」と結論付けず、対話を通じて自分とは異なる他者に想像力を向けることを目指した。
父親が頭のけがで障害を負ったという参加者は、父親が口にした「障害者になっちゃったな」という言葉を振り返った。その時、自分がどう返したのかは覚えていないという。父親に何が起き、どのように感じているのかを知りたくて、山田規畝子さんの『壊れた脳 生存する知』を読んだことを紹介。父親を亡くした後に読み返すと、当時とは受け止め方が違ったと話した。
高校時代に障害者施設でボランティアをした参加者は、活動の評価を得るために通い始めたが、施設で暮らす人から「いつまで来るの?」と尋ねられた経験を語った。その問いを通じ、施設の外の人と出会い、関わり続ける機会について考えたという。舞台制作では、知的障害のある出演者と約束を共有しながら、どのように支援するか試行錯誤したことも振り返った。
白い杖を持つ人に腕を貸して案内した経験も紹介された。すぐには声をかけられず、時間がたってから手助けに向かったと振り返り、互いに役に立てる人でありたいという思いを語った。
障害のある人との関わりを友人に話すと、「偉いね」「すごいね」と受け止められ、それ以上話が広がらないという声もあった。特別な話としてではなく、日常のこととして話したいとの思いから、今回の読書会に参加したという。
本を通じて、普段の関わりを考える場面もあった。ノーラ・エレン・グロースさんの『みんなが手話で話した島』(佐野正信さん訳)の紹介では、聞こえる人も聞こえない人も手話を使っていた島の暮らしが話題になった。
村中直人さんの『ニューロダイバーシティの教科書』を紹介した参加者は、子どもたちとのダンスの活動などを通じ、一人一人にどう接すればよいかに関心を持ったと説明。「個性」「才能」「特性」といった言葉を巡り、その人の特徴を「特性」と捉える考え方を紹介した。