「抜型メーカーで革の小物づくり」が10月17日、モリサキ(久留米市梅満町)で開かれた。「久留米まち旅博覧会」の体験プログラムの一つで、参加者は工場見学と革小物作りを通して、身近な製品の製造に使われる抜型の仕組みに触れた。
参加者を迎え、あいさつするモリサキ代表の森崎准一さん(右)、近浦冬音(ふゆね)さん(左)
1971(昭和46)年創業の同社は、抜型製造やパッケージの設計・デザインなどを手がける。抜型は、合板などに切断用の刃を埋め込み、紙や布、革などを決まった形に打ち抜くための道具。菓子や化粧品の箱、食品容器、詰め替え用の袋、ラベル、自動車のシートなど、幅広い製品の製造に使われている。
当日は、社長の森崎准一さんが実物を示しながら、抜型について説明した。平面の展開図から立体の箱ができる仕組みや、菓子箱の開封部分にある切り取り線にも刃が使われていることなどを紹介。参加者からは、製品のデザインと型作りの関係について質問があり、森崎さんは、指定された図面に沿った製造だけでなく、入れる物や用途に応じた箱の設計にも対応していると話した。
工場見学では、CADを使った設計や試作について説明を受けた。森崎さんは、かつては合板に手で図面を描いていたことを振り返り、デジタル化が進む一方で、職人の技術が残る仕事でもあると紹介。試作した箱を組み立てる場面では、部材の長さによって隙間が生じる様子を示し、量産前に形状や寸法を確かめる工程の大切さを伝えた。
見学後は、最初の説明会場に戻り、革の小銭入れ作りを体験。参加者はスタッフから革の厚さや柔らかさの違いを教わり、好みの革や金具を選んだ。抜型とハンドプレスで革を打ち抜き、木づちや打ち具を使って金具を取り付け、三角形の小銭入れに仕上げた。
森崎さんは、抜型が暮らしに密接に関わりながらも、一般にはあまり知られていないことに触れ、「今日はそういった抜型をちょっとでも知っていただければ」と話した。
最後に、同社の近浦冬音(ふゆね)さんが「今回の体験を通して、抜型の技術やものづくりの面白さを身近に感じていただければうれしく思う。『Cuttingへのこだわり』と『おもいやり』を大切に、ものづくりに取り組んでいる」とあいさつ。10月31日開催の「玩具祭(がんぐまつり)」に出展し、紙飛行機のワークショップを行うことを紹介し、「ぜひ気軽に立ち寄ってほしい」と呼びかけた。